"自由って、楽じゃない。"

先に申し上げておきたい。
今回の記事を書く上で、とあるツイートを引用させていただいている。
この記事を書くきっかけとなったツイートだ。
画像だけで特定されないよう、投稿者の情報は表示していない上で、この記事はそのツイートの内容、及びそれらに対してのツイート、その投稿者様方の思想や意見を批判、或いは否定する意図は全くない。
今回の問題に対し、知り、考えるきっかけを作って頂き、本当に感謝している。

私はフリーランスでカメラマン・映像制作などの活動をしている。
活動を開始して10ヶ月ほど。その稼ぎだけで生活は到底できていないが、何かを創作することは自分を生き生きとさせてくれる。

そんな中、昨今のコロナウイルスの影響で仕事が何件か無くなった。
元々少ない稼ぎの中、更に仕事できなくなるのは正直物凄く痛手だ。

そんな中、とあるツイートが目に止まった。



事の発端は、政府が今回のコロナウイルスの感染拡大によって収入が減った非正規労働者やフリーランスの世帯を対象として、10万円を融資する方向で調整をしだした、ということから始まる。



現段階では、政府が低所得者の生活を支援する『生活福祉資金貸付制度』という既存の制度の対象を拡大する形で行われる方針らしい。
このHPを見る限りでの情報ではあるが、
元々の制度の中で10万を上限とした『緊急小口資金』という種類があるため、
仮にそれが適用されるのなら連帯保証人いらずで無利子での貸付ということになるだろう。
その場合、据置期間として貸付日から2ヶ月設けられており、無利子である為恐らくは2ヶ月後から返済、その後12ヶ月以内に返済をする形になるようだ。…恐らく。
(この手の制度はあまり知識がない為、気になる方は上記リンクから確認の上、もし情報が誤っていたらご指摘頂きたい)


このツイートは、そんな政府の方針決定をネットでキャッチしての反応なのだろう。

その方に関してはそもそもその特別融資を受けないとし、フリーランスで生きる道は自ら選択したことだとも述べた上で、

"フリーランスだけ援助が融資という形は如何なものなのか…"

と続けていた。


このツイートは現在2万件のいいね、そして8900件以上の拡散がされており、リプライ欄でも色んな声があげられていた。

その中でも一定数いたのが、

「フリーランスもきちんと納税しているのにも関わらず」

等といった、「税金」というワードを用いてる方々だった。

この不平等さを生んでるその比較対象とは、恐らく大元の部分は小学生の子供の保護者が勤める企業に対し助成金を出し、有給休暇の取得を促す…という話なのではないだろうか。



昨今働き方改革が掲げられている中、正直このニュースをパッと見た上で今回の方針を知ったなら、批判の意見が相次いでも致し方がないと思う。


とはいえ、その後色々と調べた結果、同じフリーランスである私個人としては、この方針に何ら不満はなく、寧ろごく当たり前の流れだろうな、という結論に終着した。

理由は、比較対象である助成金の"財源"だ。



有給休暇取得の助成金の財源についてしっかりと取り上げている媒体とそうでない媒体があることがそもそも親切ではないなぁと思う。
こちら側の情報の収集力にも問題はあれども、最近はメディア側の情報操作っぷりも目に余るものがあって、結局拡散するのも人間なんだよなぁ…と感じる。

今回のその内容というのは、助成金の財源の主な部分は雇用保険から捻出してることだ。


税金とは別軸で、ある意味そういう時用に支払っていたものから捻出されることになる。
但し、対象者のうち雇用保険に加入していない方の分は税金等から捻出をするらしい。

従って全てを雇用保険から捻出する訳ではない。

とはいえども、だ。

会社に属して雇用契約を結んだ上で、有給休暇という然るべき制度の利用を行うのは本来当たり前のことであって、
且つ情勢を鑑みて、企業がそれを取得させることを促していくのも、そんなにおかしい話ではない。

対して我々フリーランスは雇用保険には加入できないし、そもそも有給休暇という制度もない。

だから、この助成金制度と並べ比較するのは無理があると思うのだ。

あくまでも小学生の児童を持つ保護者に対する助成金制度ではなく、

保護者である労働者に有給休暇を取得させる事を促す為の助成金制度であり、

その主な財源も、会社に雇用される方の生活の不安定さを解消する為にある『雇用保険』から捻出されるものだからである。



前半に掲載した日本経済新聞のサイトによると、今回の方針や保護者の有給取得に関する助成金制度とは別軸で、
フリーランス等の雇用関係がない労働者に対しての何かしらの対応はしていきたいと政府は会見で話しているようだ。


ただ、これだけは意識しておかなければならないと思う。

フリーランスというのは、その名の通り自由だ。
雇用契約に縛られることもなく、枠にはめられたスタイルに則り働かなきゃいけない訳でもない。
こなす仕事も基本的には自ら選べるし、報酬額もある程度自分で設定することもできる。


自由なのだ。

自由であるからこそ、然るべきリスクや責任も背負っているのだ。


仕事が上手くいけば、それは上司や組織の手柄ではなく、ほぼ自分自身の手柄として独占できる。
その分、仕事が上手くいかせる為の行動も、ほぼ全て自分自身でこなすべきであると私は考えている。


フリーランスは多様性の中発展している新たな働き方であるのは間違いない。
と同時に、会社と雇用契約を結び働くスタイルとどちらが自分に合った働き方なのか、私たち自身慎重に吟味して判断する必要があると思う。


と共に、欲を言うのであれば、将来的にはフリーランスや個人事業主でも加入できる雇用保険に近しい保証システムが、新たな形の就業不能保険等として普及して頂けたら…と思う。




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